メトロポリタンの陰

出会った人とのフィクション、ノンフィクション

夢の船

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港の堤防に初老の男が腰掛けている

 

「あれは未来から来た船なんだ」

 

視線の先に客船が浮かぶ

 

「私のやりたかったこと、やれなかったことが詰まっている」

 

「では、過去から来た船なんじゃ...」

 

「いや、それを実現した私が乗っているんだ」

 

数歩歩いて振り返ると

その男も船も消えていた